営業活動によるキャッシュ・フローは、企業が外部からの資金調達に依存することなく借入金を返済し、営業能力を維持し、配当金を支払い、新規投資の源泉となる資金をどれだけ得られたかを示す重要な指標である。営業活動によるキャッシュ・フローは、主として会社の収益活動から生じ、純損益の決定につながる取引の結果として生じる。営業活動によるキャッシュ・フローの例としては次のものがある。(1)財貨の販売およびサービスの提供による収入(2)ロイヤルティ、報酬、手数料その他の収益による収入(3)財貨およびサービスの仕入先に対する支出(4)従業員に対するまたは従業員のための支出(5)保険会社における保険料収入、保険金、年金およびその他の保険契約上の給付金の支払い(6)財務活動または投資活動に明確に結びつけられる場合を除く、法人税の支払いまだは還付(7)短期売買目的で保有される契約からの収入および支出キャッシュ・フロー計算書の作成に際し、ある特定の資金収支項目が営業活動、投資活動あるいは財務活動のうちどの区分に表示するのが最も適しているのかが必ずしも明確でない場合は、通常、キャッシュ・フローの源泉たる取引の性質によって区分することになる。たとえば、不動産は通常長期資産に区分され、不動産取得のための現金支出は投資活動による現金の流出として取り扱われる。しかし、不動産開発業者が転売を目的として購入し、値上がり後に売却した不動産について、購入に要した現金支出および売却による現金収入は営業活動によるものとして取り扱われる。一つの取引であっても、そこから生じる現金が複数の区分で扱われる場合もある。たとえば、借入金の元本の返済は財務活動とする一方で、利息部分については営業活動として取り扱われる。また、オペレーティング・リースに伴う借手の現金支出は営業活動として取り扱われるが、ファイナンス・リースに伴う借入元本相当部分の返済については財務活動として取り扱われる。この場合、利息相当部分の支払いについての取扱いは、企業が利息の支払いについて定めた区分によるところとなる。原則として、当期純損益を構成する取引から生じた現金の流人または流出は、営業活動によるキャッシュ・フローとして取り扱われる。しかし、当期純損益を構成する取引であっても、ある特定のものは投資活動または財務活動として取り扱われる。生産設備の売却、債券の償還または発行あるいは特定部門の売却等に伴う利益または損失は、その例である。通常、法人所得税は、特定の投資活動または財務活動に直接関連づけられる場合を除き、営業活動として取り扱われる。